〖クロス(壁紙)の剥がし〗

クロスの張替えは、当たり前ですが新築のように石膏ボードに直接張れず既存の壁紙を剥がしてから新しい壁紙を張るという事です。

その既存クロスの剥がし(関西の方はクロスのメクリとよく言っている。)ですが張るのは難しいが剥がすのなんか簡単だと思われがちです。

単に剥がすだけという捉え方の作業自体は素人の方でも出来ますが、やはり色々と考えて剥がさないといけません。適当に剥がすと下地を傷めるデメリットが発生します。

それもかなりのデメリットです。

剥がし方が上手でないというのは

①下地にカッターの切れ込みが入る。劣化が早くなります。

②下地も所々ヘコむ程にえぐれる。

③時間が掛かる。

④部分張替え時に余計な所に

まで剥がしてしまう。

⑤塗装面だと6帖一間で丸一日掛かってしまう。

⑥ホームセンターやネットで購入した壁紙だと、剥がれないに等しい。剥がせない。

⑦剥がれた所と剥がれていない所とあり精度が悪い。

⑧コーキング(角や繋ぎ目等)を取らない。

 

等等、色々とあり、それを補修して平にしてから壁紙を張る事になります。粉と水で作ったパテというものをヘラで打ち(塗る)乾いた後又繰り返す事2回か3回。又乾かす。その後、サンドペーパーで擦り平にする。パテも乾く時間も、一回戦で1.2時間。天候によっては半日掛かる。そういうことを考えると時間も、無駄だし粉も出るし。その箇所が沢山あったら1日、2日無駄になるし、我々に取って会社を維持する事が出来なくなります。大赤字です。

それでは、これから長い経験を積んだプロの技の①∼⑧の対処を話します。

①下地にカッターの切れ込みが入る。

→下地と既存クロスの僅かな隙間が、感覚で分かり、その一歩手前でカッターわ留めて剥がせます。(稀に失敗すること有り。)

②下地まで剥がれ、ヘコむ、えぐれる。

→下地の手前でカッターを止める為、大丈夫です。下地の経年劣化で誰がどうこうしようが、下地がボロボロえぐれる事はよくあります。仕方なくパテ処理する事になります。

③時間が掛かる。

→掛かりません。プロなので。

④余計な所まで剥がれてしまう。

→剥がす所と剥がさない所にカッター野切れ目を入れ縁を切れば、そこから先は剥がれません。

⑤塗装面だと剥がれない、剥がせない、剥がれづらい。

→これはですね、スクレーパーという先が鋭利になっているヘラを使って剥がします。この場合、丁寧に剥がしても時間が掛かり過ぎる場合は下地を気にせずバリバリ剥がして、後から下地処理した方が結果早い場合があるので見極めが必要です。

⑥ホームセンター、ネットの壁紙は剥がれない、剥がれづらい。

→我々は専用の糊付け機械で必要な分だけ糊を付けて張っていきます。その時に糊の分量も調節します。ネット購入や壁紙に糊が初めから付いている物は、全面に安い糊だけが付いており、本来壁紙は古くなると張替えが必要になるという先の事が考えられていない商品であり下地までボロボロになる程の始末です。しかも高い。

お気をつけ下さい。

⑦剥がれた所と剥がれていない所と…。

→まあ、これは仕事上、責任を持って綺麗に張るという心構えがあるので真剣に作業に取り組むので剥がしていない所を気付かず張るようではお話になりませんな。クロス張りは引退です。しかし、たま〜にあります。

ですが、張った時にブラシを掛けるのでそこだけボコッとなっているのに気付くのでその時には速やかにそれを取り除いてから張ればよい事です。

⑧角のコーキングや下手な職人が繋ぎ目に塗布したコーキングの除去について。

→そもそも何も無かった所に張るのが前提の工事なのでクロスも剥がしコーキングも取り、その他出っ張っている所は取って、へこんでいる所はパテしたり、平らにしてからクロスは張ります。そもそも極度な湾曲だとくっつきません。

 

※あー疲れた。ブログも疲れる。

要するに壁紙張替えを頼む時に一番肝心なのは、会社の大小ではなく実際にそれを行う人間がプロかどうかにかかっていると思います。

会社が、大きければ大きい程、張り替え

る職人までに何重にも間に会社があり、その間のそれぞれの経費やら何やら、べらぼうに高くなるし、後悔まっしぐらです。

作業できないのに、ふんぞり返った元請け大嫌いな京企画です。